人間というのは相手の心をダイレクトに読むことはできませんので、それぞれが相手の心情を勝手に予測することになります。人の感情を予測するツールとして色々なものがあり、表情や目の動き、声のトーンや使う言葉、ちょっとしたしぐさなどがあります。もちろん、ほとんどの人は心理カウンセラーではありませんので、意識してこうしたものを見ているわけではありませんが、自然と目や耳から入ってくるものから判断しているのです。そのため、お客様との関係を良くするために、スタッフ側としては意識して、相手の目や耳に入るものをコントロールすることが大事です。
特に、スタッフの表情というのは、お客様にとても分かりやすいサインを与えるものとなります。そのため、私自身も心掛けるようにしていますし、若手社員を教える時もそうですが、表情を意識して接客するようにと言い聞かせています。お客様がフロアに来て、こちらの顔を見た瞬間のさわやかで穏やかな笑顔というのは、非常に大きな効果を生むと思います。初めて来店されたお客様であればなおさらのことで、この笑顔によって安心感と、居心地の良さを持ってもらうことができるのです。また、気さくにスタッフに近づけるという感覚を持ってもらうこともできます。
笑顔というのは一つの訓練のたまものだと思っています。もちろん、元から素晴らしい笑顔をすることができて、常にニコニコしている人も中にはいるでしょう。しかし、大抵の場合は何か楽しいことがあった時だけ綺麗な笑顔をするものです。一般的に私たちがよくする笑顔というのは、愛想笑いの部類に入って、笑顔ではあるものの、それほど相手に良い印象を与えるものではないことが多いのです。そのため、まずはさわやかな笑顔を作る練習からすることが大事です。自分で鏡を見ながら印象の良い笑顔ができるように、そして周りの人に見てもらって、愛想笑いではない美しい笑顔なのかをチェックしてもらいましょう。
慣れていない人にとって、笑顔を一瞬だけでなくずっと続けているのはかなり難しく感じます。顔の筋肉が笑顔バージョンに慣れていないからです。そのため、さわやか笑顔を作る筋肉の動きを覚えたら、その場で止めてキープ、という訓練をすることもとても大事です。最初は、笑顔を作りキープすることで疲れてしまい、顔の筋肉痛が起こることもあるかと思います。しかし、この訓練を続けていくと、美しく周りの人とお客様をほっとさせるいい笑顔を作り続けることができるようになるはずです。
表情についての情報については、「オフィスAZM」の笑顔についてのブログ記事(やっぱり「笑顔」が最重要)も参考にさせていただきました。ホスピタリティのコンサルティングを行っている会社さんだけあって、ホスピタリティ関連のブログは非常に勉強になりました。